学びに向かう力・人間性等

茨城大学 准教授
小林 祐紀 先生

学びを人生や社会に生かそうとする『学びに向かう力・人間性等』

『学びに向かう力・人間性等』について、学習指導要領を改めて意識し、いくつかのポイントに注目しました。

授業デザインのポイント

①学んだことの意義を実感できる

②一人ひとりの可能性を発揮できる

③思考の過程等を客観的に捉える

実践発表では様々なブースで「社会とのつながり」「エンパワーメント」などのキーワードが飛び交っていました。学習者は、授業を受ける前に学びの全体像やその価値を知っているわけではありませんから、意義を実感できるようにするためには、教師側がその文脈を意識させることが大切なのです。福田先生の社会科の実践では、市役所の方を招いてリアルな場面を設定し強い動機付けを意図するなど、先生と子どもたちとでワクワク・ドキドキするようなストーリーを共有していました。
また、一人ひとりの可能性を発揮するためには、学習の個別化が有効ではないでしょうか。個別化を保証するものとしてICT特にタブレット端末が有効というお話が山中先生の総合的な学習の時間の実践発表にも出てきました。また、選択性をもたせることについても触れていました。伝える相手を納得させるためのツールを、根拠を持って選択することができる「ツール選択力」を身に付けるということです。それが一人ひとりの可能性を発揮することにもつながっていくのではないでしょうか。
思考の過程等を客観的に捉える力を身に付けるという観点では、野村先生が国語の実践発表でメタ認知に関して話されていました。子どもたちは自分の学んでいることを視覚化することで、学んだことが意外と多いと気付くそうです。ここでも、学習のプロセスや成果を可視化・蓄積・共有できるICTの良さが活かされていました。

中川先生からの質問

学んだことをどのように実感させるのが望ましい?

単元ごとに振り返りをして学びを自覚させることがそのひとつだと思います。山口先生の観光パンフレット作りでは、制作物に対して行う振り返りに加え、2学期の制作時に1学期の制作物を見返して課題を見つけるなど、振り返りやメタ認知の場面がしっかりと確保されていました。

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