学びに向かう力・人間性等 6年 国語・総合

金沢の魅力を観光客に発信しよう

金沢市立大徳小学校  山口 眞希 先生

活用アプリケーション キューブきっず(リーフレット)

実践の内容

国語の町を紹介するパンフレットを作成する単元の学習と総合的な学習の時間の「金沢のまちを学ぶ」という単元を組み合わせて行いました。金沢の観光客が年々増えていることをふまえ、「歴史探訪」という行事でみつけた金沢の魅力をガイドブックにまとめて、観光客に配布するところまでを行いました。

国語の単元としてのねらい

  • ガイドブックの構成を理解し、目的や意図に応じて文章の内容を考えることができる
  • 全体をとおしての効果を考えて構成するとともに、文章や写真、見出しなどの書き方や配置を工夫することができる
  • 他者の文章について、表現の仕方に着目して助言し合うことを通して、よりよい文章にすることができる

総合的な学習の時間の単元としてのねらい

  • 金沢の魅力について、情報を収集・整理・分析し、まとめて表現し発信することで、金沢に愛着を持ち金沢の魅力を発見することができる

それらを意識ながら学習を進めました。
ガイドブックの作成には〈キューブきっず〉の「リーフレット」を使用しました。

授業の流れ

国語

【1学期】
グループごとに、宿泊学習のパンフレットを作成した。パンフレットを構成する要素はとても多いため、全体を対象とすると子どもたちの議論の内容が広く浅くなってしまう。そのため、「写真」「キャッチコピー」「文章」「それらそれぞれの関係性」に分けて見直しをしていく、という方法で学習した。
下書きから、子どもたちの「文章」には次の3つの課題があることがわかった。

  • 文末表現の工夫が足りない
  • 体験した人ならではの表現が書かれていない
  • 稚拙な言葉が羅列されている

これらをふまえ、次のような指導を行った。

●課題に気付かせる

2つのモデル文を比較させ、どちらが行きたくなる文章か考えさせる

●学習をより深める

写真、キャッチコピー、文章がお互いに引き立て合う関係になっているか考えさせる

●推敲の良さに気付かせる

メディア表現の到達目標のチェックリストを使って評価・振り返りを行う

総合的な学習の時間

【2学期】
1学期に作ったパンフレットを見直し、改善点を見つけ、「金沢ガイドブック」作成の課題を設定した。

①市役所等に足を運ぶなどして、金沢の下調べをする

②探索ルート決めの参考に、実行委員がプロモーションビデオを作成し、提示する

③探索ルートを決める

④金沢観光ボランティアガイド「まいどさん」と、まちを巡る

⑤ガイドブックに載せるための写真を撮影し、インタビューをする

⑥ガイドブックに載せる内容を決める

⑦外国人が多いことを想定し、英語で話す練習をする

⑧金沢駅でガイドブックを配布する

授業デザインのポイント

●誰かの役に立つ達成感や喜びが学びに向かう力に

自分たちで計画から取材、表現まで行ったガイドブックが、社会との繋がりを作るきっかけになることが実感できました。作ったものが誰かの役に立った達成感や喜びは、今後の学びに向かう力の育成につながります。最後に「配布する」という活動を入れて良かったと思います。

●個人の評価

1人1ページを担当することで、一人ひとりを評価できた点が良かったと思います。
ただ、データを修正をして上書きをすると、前回のデータが消えてしまい、変化を見取ることができないため、毎回印刷するなどの工夫が必要だと感じました。

●時間の確保

国語と総合的な学習の時間を使って活動を行いましたが、時間が足りませんでした。カリキュラムマネジメントの必要性を感じました。

発表の様子

1学期2学期を通しておこなった、教科横断的な実践であることに、受講者の先生方の興味・関心が集まっていました。子どもたちの課題意識を継続するための手立て(1学期から2学期へ)や、単元の配列やカリキュラムマネジメントによる学習効果・時間短縮といったテーマで議論がされていました。

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