ワークショップC児童生徒に一人一台

■岡山会場 講師
中橋 雄先生  (武蔵大学 教授)
岩崎 有朋先生 (岩美町立岩美中学校 教諭)
福田 晃先生  (金沢市立十一屋小学校 教諭)

■大阪会場 講師
中橋 雄先生 (武蔵大学 教授)

ワークショップのねらい

タブレット端末をはじめとするICTは、授業の中でのコミュニケーションを支援するツールです。1人1台のタブレット端末環境を想定し、子どもたちの相互作用をいかに促し、学習を豊かにしていくかを実際に模擬授業を体験していただくことを通して考えます。

今回の模擬授業では、練り合い学習ソフト〈ラグーン〉を使用しました。
意見を書き込んだり、動かしたりしながら思考を共有し、深めるためのツールです。普段の授業の中でよく行われる「意見の交流」「意見の整理・分類」「ディスカッション」といった場面でお使いいただけます。

岩崎先生の模擬授業

【理科3年】「ゴムの力を調べよう」
【理科4年】「閉じ込めた空気の性質」
【理科5年】「食物連鎖空気を通した生物のつながり」

岩崎先生の模擬授業

福田先生の模擬授業

【算数5年】「台形の面積の求め方を考えよう」

福田先生の模擬授業

中橋先生によるまとめ

分科会の最後に、今回模擬授業の中で使用した練り合い学習支援ソフト<ラグーン>について、授業のどのような場面で使えそうか、受講者の先生方からアイディアを出していただきました。意見はタブレット端末に書き込んでいただき、教室の前に一覧表示する形で共有されました。中橋先生には、授業でICTを使う上でのメリットや活用のポイントといった解説を交えながら、受講者の先生方のアイディアを紹介していただきました。

先生方のアイデア

学活
学級会・討論会・ホームルームでの意見交換
国語
物語文
人物の心情を読み取る場面
音楽
曲のイメージを話し合う学習
社会科・地理
地形図からわかることを書いていく
体育
アスリートの動きをもとにポイントを挙げる
道徳
オープンエンドの意見交流
図工
子どもの作品を写真で取り込んで、いいところを書く
理科・算数
予想を立てる時に使いたい
総合的な学習の時間
グループで調べた内容を交流
国語
作文のメモづくり
クラブ活動
スポーツ部などで、意見を交換しながら戦略をたてる。
理科
花の観察

児童生徒1人1台タブレット端末を効果的に活用するために、まず授業のねらいをはっきりさせることが大切です。その上で、機器やソフトのもつ特性がどのような場面で子どもたちの学習を助けるか考えていくとよいでしょう。特に、児童生徒に何をどう書き込ませていくか、ということについて考えることが重要になります。例えば、クイズのようにあらかじめ答えがひとつに決まっている問題の解答を記入させ分割表示して誰ができていないか瞬時にチェックできます。こうした使い方は基礎・基本を習得できれているか確認し個別に支援することができて便利です。一方、タブレット端末活用は、答えがひとつに決まらない問いの探究をする活動でも有効に活用することができます。例えば、学級会での議論を構造化したり、作文の構成を練るなど、思考を活性化させるツールとしてタブレット端末を使うことが考えられます。また、写真が簡単に撮影できるタブレット端末の機能を活かし児童生徒の作品を取り込んで、互いに感想を書きあうこともできますね。さらに、物語の解釈、社会のあり方、あるいは、道徳のように多様な考え方を出しあうことで他者から学ぶような授業でも使えます。お互いの意見を共有できるので、多様な意見に触れ、ものの見方や考え方を広げていくことが期待できます。このように、どのような学力を目指すのか明確にして使い方を工夫することが必要です。

詳しくは 総括パネルディスカッション でお話しされています。

模擬授業の教室の環境について

今回の模擬授業では、児童生徒1人1台のタブレット端末(以下児童機)に加え、先生用タブレット端末(以下先生機)、プロジェクターのある環境で授業を行いました。それぞれは無線LANのネットワークでつながっており、先生機からはリアルタイムに児童機の画面を確認することができます。その画面をプロジェクターで教室の前に拡大提示することもできる環境となっています。また、児童機同士でも、同じワークシートを共有すれば、互いの書き込みがリアルタイムに反映されるようになります。

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