模擬授業 【算数5年】「台形の面積の求め方を考えよう」
主なワーク
個人でのワーク1
台形の面積の求め方について考える3つのワークを通して、児童生徒1人1台の環境でのタブレットPCの活用について考える。
①台形の面積の求め方を考える
受講者は、自由にタブレット端末のワークシートに台形の面積の求め方を記入していく。「平行四辺形として見る」「二つの三角形として求める」等、多様な考え方が挙がった。
②福田先生が受講者の意見を紹介
ICT活用のポイント
先生機で児童機の画面を電子黒板に一覧表示し、個々の進捗を把握。
さらにプロジェクターで拡大提示すれば、クラス全体での意見の共有が簡単にできます。特に紹介したい意見をピックアップして拡大したり、違う意見を並べて表示して比較したりすることもできます。
個人でのワーク2
①説明の仕方を考える
多様な考えの中から、台形を二つ合わせて平行四辺形にする代表的な求め方に注目し、3つのステップに分けて段階的に説明の文章を考える。
②福田先生が受講者の意見を紹介
ICT活用のポイント
「デジタル付せん紙の一覧表示機能」
デジタル付せん紙の色ごとに集約して拡大提示。実際の意見を参考にしながら、説明を書くときのポイントを紹介します。
「黒板との併用」
プロジェクターによる提示では、画面が切り替わってしまうと説明したポイントが見えなくなってしまうので、うまく板書を使って授業の足跡を残していくことが大切です。
グループでのワーク
①説明の仕方を考える
3人のグループになり、別の台形の求め方について2と同じようにデジタル付せん紙に説明を書きながら、班で交流し合う。
ICT活用のポイント
同じワークシートを複数人で共有することで、お互いの書いたデジタル付せん紙がリアルタイムに画面に現れるため、班員の意見を読んで、自分の意見に取り入れることができます。
福田先生から
台形の求め方の授業をしたときに、求め方を説明する方もされる方も、「なんとなくわかった」という状態で授業が終わってしまうことがありました。授業を終えたとき、全員が算数の言葉を使って説明ができるという状態が目指すべき姿だと思いました。
児童生徒1人1台のタブレットPCがあれば、一人ひとりの進捗を確認することができるので、参考となる説明をピックアップし、クラス全体で共有することもスムーズにできます。さらに、グループでタブレットPC上のワークシートを共有すれば、グループのメンバーの書き込みをリアルタイムに見られます。説明が苦手な子がうまく説明できている子の意見を参考にすることで、自分で文章を書くことができるようになります。1人1台のタブレットPCは、目に見える形での助け合いのツールとして機能するのではないでしょうか。
また、ICTの有効点としては、下記の5つかと思います。
- 繰り返し書き直すことができる
- 思考を一覧で把握することができる
- 取り上げたい事柄を素早く焦点化できる
- 付せん機能で思考のステップを明確化できる
- 他者の考えをシームレスで共有できる
以上を授業の中に取り入れられることにより、子どもたち同士の意見の交流が促進されます。そのことにより、なんとなく説明できたつもり、わかったつもりを脱却する授業ができたらと思います。
もちろん、ICTを使ったからといって、必ずしも良い授業ができるという訳ではなく、グループをどうするか、ワークシートをどうするかを考えなければいけません。授業デザインの中でどのようにICTを取り入れていくかを考えていく必要があると思います。