ワークショップC児童生徒に一人一台
中橋 雄先生 (武蔵大学 社会学部 教授)
ワークショップでなにが起こったのか?
実際に1人1台の環境で模擬授業を体験していただき、タブレット端末が授業にどのように寄与するかということを考えていきました。今回使ったソフト<ラグーン>と組み合わせることにより、下記のことが可能になります。
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タブレットPCは児童生徒1人1台ありますので、先生が子どもたちの状況を把握したり、良い意見を取り上げて他の人に紹介することで、ある1人の思考が他の子の学びに繋がるような授業デザインが考えられます。タブレット端末だけに頼らずに、ワークシートや発問についても、これまでと変わらず考えていかなければならない部分です。1人1台のタブレット端末があることで、子どもたちがそれぞれどれだけできるようになったかを見取ることができます。それはノートでも同じことが言えるのですが、リアルタイムで個々の状況を把握して、その場で子どもたちに返していくことができるという点で便利です。
児童生徒に1人1台で伝えるチカラを育むには?
伝えるチカラを育むためには、以下の3点が大切だと思います。
● 自立解決と協働を組み合わせる
例えば、まず個人で考え、次にグループで交流、最終的に全体で共有する、といったような組み合わせが考えられます。
● 伝え方の基礎・基本を押さえる
グループでの話し合いをするために、教師が意識して、子どもたちに伝え方の基礎・基本(見せ方・話し方など)を身につけさせることが必要です。
● 思考と対話の流れを把握し支援する
グループの話し合いの内容をリアルタイムに把握して指導に活かすこともそうですが、子どもたちの成長を記録して把握し、長いスパンで授業に活かしていくことも大切です。
児童生徒に1人1台で円滑に活用していくコツは?
児童生徒1人1台で円滑に活用していくコツは、下記の3つです。
● 身近な教材を取り入れる
子どもにとってやはり身近なのは教科書。写真に撮って教材化するのもおすすめです。
● いつでも使える管理・運用体制
「使う度に保管庫の前に行列」では授業になりません。授業外の時間でも使いたいときにすぐに使えるような環境にしておくのも良いと思います。
● 教室文化の形成と対応
タブレット端末を自由に使えることで、新しい「文化」が生まれます。休み時間に外で遊ばずタブレット端末を見ている子に対して、どう指導しますか?「外で遊びなさい」と注意するのか、「他にもこんなアプリがあるよ」と奨励するのか、様々な方針が考えられます。子どもたちの学習にとってどう指導するのが一番良いことなのか考え続けることが重要になります。