思考力・判断力・表現力等
武蔵大学 教授
中橋 雄 先生
未知の状況にも対応できる『思考力・判断力・表現力等』の育成
「未知の状況にも対応できる」、つまり新しい知を創造することができる力を育成するために、必要なことは何でしょうか。授業づくりで重要だと思われるポイントをまとめました。
授業デザインのポイント
①学習者にとって意義や必然性のある問いを設定すること
②学習者同士の相互作用や関わりをデザインすること
③ツールを用いた思考・判断・表現の仕方をしっかりと指導すること
そうした視点で実践発表を振り返ると、野村先生の俳句づくりの実践では、ICTが他者との関わりの場面をより充実させていました。「季語」の効果や「取り合わせ」の良さに気づくという授業の中で、どのように取り合わせ、どのように感じたか、という思考のプロセスをアプリケーション※1を使ってわかりやすく整理し、可視化しました。学習者は他者の思考プロセスを共有することで、自分の考え方をぐっと広げていました。
また、山本先生の総合的な学習の時間の実践は、フローチャートを用いて交流ビデオの制作手順を考えるというもの。ここでは、ICT※2を用いて児童が作った様々なフローチャートを画面上で並べて比較・検討する学習が行われました。また、フローチャートの一部をピックアップして表示し焦点化することで、その手順でよいのか?と問い直すような試行錯誤の時間も充実していました。
中川先生からの質問
知識・技能を思考・判断・表現へと活用させるポイントは?
教師がリンクをはることです。思考・判断・表現する活動の中で学習者がつまずいたときに、既習事項の活用に気づかせることが大切です。「普段の勉強はこの時のためにやっている」あるいは「今できないこともこれから知識・技能を身に付けていくことでできるようになる」といった、学びと学びの結び付けをする必要があると思います。
※1 | iPadアプリケーション『E-VOLVOX』を使用 |
※2 | 練り合い学習支援ソフト『Lagoon(ラグーン)』を使用 |