知識・技能
金沢星稜大学 教授
佐藤 幸江 先生
生きて働く『知識・技能』の習得
「生きて働く」に着目すると、知識等の「量から質」への転換と言えるでしょう。例えば、国語で提案された先生の多くが、「思考力・判断力・表現力等」を働かせて学習のゴールに向かう際には、文章の構成や引用の仕方等「情報の扱い方」の内容を関連付けていました。
山本先生の社会科の実践では、『長篠合戦図屏風』の資料※1を使って合戦の様子を読み取る学習活動を行っていました。タブレット端末で細部を拡大することで気付きを促し、それらの意見を集約して大きな画面で共有することで、子どもたちの気付きを活かした学習問題を作っていました。
授業デザインのポイント
●知識・技能の「量から質」への転換
●知識・技能の関連づけ
●ICTの強みを活かす
●子どもたちの気付きを活かした学習問題
中川先生からの質問
生きて働く『知識・技能』、どう意識させる?
菊地先生の、立体図形を分類する算数の実践発表を拝見したところ、「この授業で見つけた図形の特徴を次時の『展開図をかく』際にどのように活かすのか」という議論がされていました。取得した知識を別の時間や単元で活かすことができれば、子どもたちの意識は「覚える」から「使う」へと変わっていくのではないでしょうか。
生きて働く『知識・技能』を習得する上でのICT活用の良さは?
各実践にあったように、より試行錯誤しやすくしたり、他者との意見の違いを認識できたりする強みがあります。その強みを発揮するためにも、教具の一つとしてツールの特性をよく理解し、子どもたちとともに使っていくような授業づくりが必要だと思います。
※1 | 今回の実践及び本レポートでは『週刊 絵で知る日本史 創刊号 長篠合戦図屏風』(集英社)に掲載されている『長篠合戦図屏風』をスキャンした画像を使用しています。この『長篠合戦図屏風』は公益財団法人犬山城白帝文庫所蔵のものです。 |
※2 | 練り合い学習支援ソフト『Lagoon(ラグーン)』を使用 |