知識・技能 6年 社会
長篠合戦図
関西大学初等部 山本 直樹 先生
活用アプリケーション Lagoon(ラグーン)
実践の内容
6年生・社会で『長篠合戦図屏風』の資料※を使って合戦の様子を読み取る学習をしました。4~5人のグループに1台ずつタブレット端末を配布し、資料の読み取りには〈ラグーン〉を使用しました。高解像度でスキャンした資料をタブレット端末で拡大すると、肉眼や虫眼鏡では見にくい部分も鮮明に見ることができます。その結果、子どもたちは多くのことに気付き、学びが深まりました。
〈ラグーン〉の特徴
- 背景に任意の画像を設定することができる
- 付せんは色ごとに抽出することができる
授業の流れ
〈ラグーン〉の背景に「長篠合戦図屏風」の画像を設定し、ピンチアウトで拡大しながら図の細かい部分まで読み取っていく
各班の画面を拡大表示し、該当の箇所を示しながら発表する
子どもたちが気付いた点をピックアップし解説を加えることで、理解が深まる
①班ごとに「長篠合戦図屏風」を読み取り、気づいたことを付せんに書く
付せんの色は次のように設定した。
赤 | 「武器」に関すること |
オレンジ | 「人・動物」に関すること |
水色 | 「持ち物」に関すること |
青 | 「服装」に関すること |
緑 | 「地形」に関すること |
紫 | その他のこと |
②班の意見を全体で共有する
班の代表が気付いたことを発表する。
③クラスの意見を整理する
すべてのグループの付せんを色(気づいたことのジャンル)ごとに抽出して拡大表示し、全体で意見を共有し整理する。
④長篠の戦いを描いた映像作品を視聴する
授業のまとめとして、映像作品を視聴し、自分たちが気付いたことが映像作品にも描かれていることを確認。最後に授業でわかったことをノートにまとめた。
授業デザインのポイント
●高精細な画像を背景に設定する
ICTは社会科での資料の読み取りの活動と親和性の高いツールだと思います。書籍からスキャンした高精細の画像を背景に設定し、拡大しても鮮明に見えるようにしました。教科書を虫眼鏡で見ているだけでは見つけられない細かい点にも気づくことができました。
●拡大提示で意見を共有
子どもたちの意見を大きく表示することで、全体での意見共有がスムーズになりました。
●ソフトウェアの機能を授業に生かす
色別に付せんを抽出できる〈ラグーン〉の機能は、意見を共有するのに役立ちました。
発表の様子
受講者の先生方から、画像を設定する上での配慮や他の実践でのソフトウェア活用について質問があり、情報の交換がされていました。
※ | 今回の実践及び本レポートでは『週刊 絵で知る日本史 創刊号 長篠合戦図屏風』(集英社)に掲載されている『長篠合戦図屏風』をスキャンした画像を使用しています。この『長篠合戦図屏風』は公益財団法人犬山城白帝文庫所蔵のものです。 |