ユニバーサルデザインから学んだことを伝えよう

浜松市立雄踏小学校 菊地 寛 先生

学年/教科 小学4年/総合的な学習の時間
活用アプリケーション キューブきっず(リーフレット)

実践の内容

今回の実践発表はユニバーサルデザインについて追及し発信するという学習活動。子どもたちはそれまでに、誰もが使いやすい自動ドアのプログラミングや、点字・ブラインドウォークの体験、障害のある人との交流など、ユニバーサルデザインに対する意識を高めてきた。そこで得た知識や実感をもとにユニバーサルデザインに関する課題を見つけて解決策を探った。その解決策のひとつとして〈キューブきっず〉を使ってポスターを作成し発信した。

授業の流れ

作成されたポスターの一例

①テーマを設定し、グループを作る

各個人でテーマ(知りたい事)を設定し、似たテーマを設定している児童同士でグループを作る。

②調べ学習を行い、解決策を考える

各グループで課題解決のために本や資料、インタビューなどの手段で調べ学習を行う。

③調べたことをどのようにまとめ、発信するか考える

自分たちの考えた解決策を地域の人にも知ってもらうためにはどのように伝えたら良いかを考える。子どもたちにとって一番身近で、多くの人に見てもらいやすいということで、ポスターを作成することに。

④ポスターを作成する

本物のポスターを分析し、そこでの気づきを生かしてポスターを作成する。

⑤発信する

学年でのポスターセッションや区役所の方へのプレゼンテーションを行いアドバイスをもらう。

授業デザインのポイント

●本物のポスター、本物の”場”を用意

本物のポスターから、写真やキャッチコピーなどの意味を考えたり、多様な表現方法を学んだりする活動の中で、「少ない文字数で表現することが必要」「ストレートに伝えるだけではいけない」などと気付きがあった。「5・7・5で表現する」といった新たなアイデアも生まれた。本物を見ることで、「伝えたい」という切実な思いが増し、相手を意識した表現につながった。また、区役所の方に見てもらうことで、発表の場がリアルなものになり、受け手に応じた伝え方を考えることができた。

●児童の声を大切に

「地域・社会における課題をどのように解決したらよいか」と考えたときに、校内に発信するだけでなく、実際に障害のある方や地域の人が集まる場所に掲示をしたいという声が上がった。その声を反映するために、ポスターを区役所に掲示させてもらった。しかし町の様々な場所に掲示するというところまでは実現することができなかったため、子どもたちの思いをより確実に反映させる手立てを考えることが課題として残った。

登壇後記

熱心な先生方が多くいらっしゃいました。他の実践者の方の実践も伺い、付けたい力を明確にし、子供の思いに沿った授業デザインが立てられていました。その上でICT活用だと改めて思いました。ここで頂いた多くの刺激をこれからの授業実践に活かし、よりよい授業をつくっていきたいと思います。

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