学びの”共有”で高める理科学習

関西大学初等部 山本 直樹 先生

学年/教科 小学4・5年/理科
活用アプリケーション E-VOLVOX

実践の内容

春から夏にかけてグループごとに取り組んできた野菜作りの活動を、〈E-VOLVOX〉を活用して写真や動画と文章でまとめた。それらをさまざまな視点で分類し、さらに共有することを通して、4年生は野菜づくり、5年生はいきものへの理解を深めた。今回は4年生の活動を中心に実践発表を行った。

授業の流れ

①野菜作りのプロセスを〈E-VOLVOX〉でまとめる

ひとつのプレートごとに「収穫」「種植え」などの工程をまとめ、時計回りに時系列でプレートを並べていくことでひとつのリングが完成。このリングをプレゼンテーションにも使い、交流を行う。

詳しい機能は製品紹介ページをご覧ください。
E-VOLVOX

食べる部位で分類した結果、葉物はゼロ。「実がしっかりつく野菜を選んだからだ!」と実感を得た

②さまざまな視点で分類する

ワークシートを使ってどのような視点で分類できるか話し合う。

野菜は・・・

  • 葉、実、根など「野菜のどこを食べているのか?」という視点
  • 植物学的に見て何科かという視点 など

いきものは・・・

  • 陸・海・空など生きるフィールドで分ける視点
  • 卵で生まれるのかどうかという視点 など

③それぞれのグループがまとめたプレートを共有し、図鑑をつくる

野菜づくり図鑑として1つ下の学年へ引き継ぐ

授業デザインのポイント

●共有を意識させる

情報を集約できることがアプリケーションを使う大きなメリット。野菜づくりの工程をまとめる際には、Airdropで写真や動画などを共有したことが、写真スキルの差を埋めるのに役立った。また、他のグループのまとめ画面を共有し手元で見られることで交流が活発になり、さらに共有したプレートを使って分類する活動へと発展させることで学びを深めることができた。

●情報の階層化をわかりやすく

今回は野菜やいきものを分類することで、視点によって仲間分けが変わるということに気づき、多様なものの見方を身に付けることにつながった。子どもたちが分類をする上で階層を理解する(ケタをそろえる)のは、紙ベースでは難しく感じることも多いが、アプリ上では3Dによって視覚化されているため感覚的にわかりやすい。
子どもたちは2年生のときにも〈E-VOLVOX〉を使った学習をしており、低学年でも十分に操作できることがわかった。低学年で情報を階層化して考える学習をする際にも役立つのではないだろうか。

登壇後記

私は今回、理科指導における〈E-VOLVOX〉活用の紹介をしました。実践事例は、4年生が野菜作りの体験をまとめる活動です。活動のゴールは図鑑作りとしました。〈E-VOLVOX〉は情報の分類や整理に特化したアプリです。子ども達は、野菜を「どの部分を食べるか」「何科の植物か」など思い思いの視点を設定し、〈E-VOLVOX〉上で分類・整理していきました。〈E-VOLVOX〉は階層を3D表示することで、上位概念、下位概念を認識しやすくすることもできます。実践発表では、この3D表示機能により、分類する思考スキルを高めることができたことを強調しました。来場者の方からは、「このアプリは、理科で学習対象を分類する活動にとても合っていると思った」との感想をいただきました。

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