実践の内容
6年生・国語で、金沢の魅力を発信するパンフレットづくりに取り組みました。金沢の6つのエリアから1つ選び、1人1枚ずつパンフレットを作成しました。1人1台のタブレット端末環境が整っていたので、作成には〈E-REPORT COMP〉を使いました。授業は、学習の見通しを持つ、計画を立てる、取材する、パンフレットを作成する、推敲する、交流するといった一般的な流れを踏襲して行いました。
授業の流れ
実際に話を聞いたり、タブレット端末で写真を撮ったりして取材する
作っていく過程で追加取材を自主的に行う児童もいた
他のエリアを担当している児童にパンフレットを見てもらい、内容が伝わるか確認する
市役所の職員の指摘を参考に、改善する子どもたちの姿が見られた
①市役所の職員から依頼を受ける
市役所の職員に学校に来てもらい、観光客に対して、子どもたちの目線で金沢のよさを発信するパンフレットを作って欲しいという依頼をしてもらう。
②見学・取材する
同じエリアを選んだ児童同士で集まり、事前に見学する場所について調べ、取材する。
③取材した情報を共有する
学校に戻って、伝えたいことを情報共有し、重複しないようにテーマを決める。
④パンフレットを分析する
本物のパンフレットを見て構成や工夫を分析する。読み手を意識した工夫がされていることに気付かせる。
⑤パンフレットの構成を考える
付せんに書き出しながら構成を検討し、文章化していく。
⑥パンフレットを作成する
〈E-ERPORT COMP〉を使ってパンフレットを作成する
⑦観点を明確にし、推敲・交流する
教師が国語の指導として設定した「本当に必要な情報なのか」「足りない情報はないか」という点に加え、「この文章は必要か」「見出しと写真と本文は一致しているか」など自分で制作したパンフレットで気になっているところを観点として、グループ内で意見を出し合う。
⑧市役所の職員からアドバイスをもらう
夏休み中に市役所の職員にも見ていただき、気付いたことを指摘してもらう
⑨実際に使ってもらう
活動の新聞報道を見た他県の学校から「ぜひ修学旅行で使わせて欲しい」と連絡があり、総合的な学習の時間でさらにブラッシュアップしたものを使ってもらった。
授業デザインのポイント
●必然性を持たせるリアルなストーリー設定
市役所の職員の方からの依頼という形式をとったことにより、相手意識・目的意識が明確化され、子どもたちの意欲のアップに繋がりました。最終的に、県外の小学校から来た修学旅行生に実際に使ってもらうことになり、総合的な学習の時間も使ってブラッシュアップし、手渡すことができました。自分たちの作ったものが実社会に活きるということがうれしかったのではないでしょうか。
●ずれの実感
内容を知らない相手に読んでもらうことで、自分が伝えたいこととパンフレットから伝わることのずれを実感し、さらにブラッシュアップする意欲に繋がりました。
●容易に修正できることが意欲をアップ
〈E-REPORT COMP〉なら修正が容易にできるため、修正に対するハードルが下がります。これは、学びを人生や社会に活かそうとするという部分に寄与すると思います。
発表の様子
国語と総合的な学習の時間を教科横断的に指導した実践だったため、単元構成について質疑応答がされていました。