基調講演

放送大学の中川一史先生より、基調講演をいただきました。

放送大学 教授

中川 一史

略歴  横浜市小学校教諭
金沢大学教育学部教育実践総合センター助教授
メディア教育開発センター教授
2009年4月より放送大学教授

タブレットの導入形態は、自治体や地域によって3つのタイプに分けられます。その導入形態によって、活用の仕方が変わってきます。

A 先生に1台

先生に1台の導入形態での活用は、「従来の掲示の延長である」と考えられます。使い方は至ってシンプルで、タブレットで「撮影」して「見せる」だけです。ポイントとなるのは、「何を」「どのタイミングで」「どのように」撮って見せるのかということです。例えば、体育の授業で指導が必要な児童・生徒の運動の様子を撮影しておき、その場で映像を見せながら指導することで、説得力が増します。授業支援ソフト等と組み合わせれば、ワイヤレスの実物投影機となります。

B グループに1台

グループに1台の導入形態での活用では、グループ内の「共有ボード」としての活用が主になります。
ホワイトボードのように、グループの真ん中に置いて、皆で相談する中で意見をまとめたり、試行錯誤したりといった使い方が考えられます。現在、主流となっている導入形態です。

C 児童・生徒1人1台

児童・生徒1人1台の導入形態での活用は、「個人のデジタルノート」として使うことになるかと思います。一人ひとりの習熟度に合わせた学習に使ったり、持ち帰って家庭で使ったりと、使い方の可能性が広がります。しかし、教師が100%コントロールできない部分もでてきてしまいますので、タブレットをどの場面でどのように使うのか、子どもたちがある程度自己判断ができるよう指導が求められます。
また、一部の高校や私立学校では、機種を指定して生徒に個人購入をさせるBYOD(Bring Your Own Device)の形をとっているところもあります。

タブレット活用を進める上で大切なことは、ICT で「どのように学ぶか」を考えていくことです。「主体的・対話的で深い学び」を実現させるために使うのか。自分の考えの「整理」や「共有」に使うのか。同じタブレットでも、使う側の視点によって役割が決定的に違ってきます。このようなことを踏まえ、本セミナーを通じて、今後の活用を考えていただければと思います。

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