実践発表
国語6年 「オススメの本の紹介 ~読書の幅を広げよう~」
有谷 剛仁先生 (静岡県浜松市立中瀬小学校)
実践の概要
本実践の前段階で、自分の好きな本をただ紹介しても、共感を得られにくい、ということがわかっていました。そこで、相手の読書傾向を理解した上で、相手のニーズに合った本の紹介を行うことで、クラスの読書の幅を広げるられるような授業としました。活動の後では「みんなのオススメの本を知って、その本にしかない面白さがあることを知りました」や「これからは何の本でも挑戦していきたいです」などと感想があり、読書の幅が広がったのではないかと思います。
実践の内容
①実態の把握
「どんなジャンルの本を読むことが多いですか?」といった内容のアンケートをとる。また、図書館情報システムの読書記録を活用して、自分がどのような本を読んできたかを付せんに書き分類し、自分の読書の傾向と実態を分析する。
②紹介文をまとめる
二つの調査の結果を基にオススメする本を決定し、本の良さを伝える紹介文をまとめる。
③プレゼンを作成する
一人ひとりパソコンを使ってプレゼンを作成する。
ICTはここで使う!
プレゼンでは、クイズや画像の拡大といった工夫を施すことができるので、より印象的で効果的な伝え方を追求することができます。
④発表する
3か所に分かれてポスターセッション形式で発表する。同じ読書傾向の子の発表を聞くのではなく、紹介する人が書いたジャンル、気持ちの変化などで判断して聞くように指導。
ICT活用のポイント
「プレゼンを使っての紹介」
パンフレットやポスターは「画像」、読み聞かせでは「音声」、帯やポップでは「文字」が中心となる紹介ですが、プレゼンでは、「画像の拡大利用」「読み聞かせやクイズ」「文の引用」「相手の反応を見ながら紹介」ができたりと、いろいろな方法の特色を兼ね備えていると思います。そこで今回「読書の幅を広げる」ということを考えた時に様々な種類の本の紹介にあった使い方ができるようにプレゼンでの紹介にしました。
授業デザインのポイント
「型」を示すことで子どもたちを導く
●オススメの本の伝えたい内容を決めるにあたり、教材文「森へ」と「オススメの本」を並行読書しました。先ず「森へ」の良さを記述例としてワークシートにまとめ、これを「型」としました。同じ「型」のワークシートを使い、比較しながらまとめることで「要旨の把握」「構成の基本」を見つけることができました。
●紹介方法では、"伝えたい内容を最適な方法"で作成していきました。これには、先ず私がプレゼンのモデルを作成し、「画像の使い方」「文の引用」などプレゼン作成における様々な表現方法を指導しました。