実践発表
国語6年 「5年生に伝えよう!宿泊学習のパンフレットづくり」
小林 祐紀先生 (国立大学法人茨城大学教育学部 准教授)
※平成26年度所属 金沢市立安原小学校
実践の概要
石川県では、修学旅行の代わりに宿泊学習という活動があります。宿泊学習で学んだことを、来年行く5年生に伝えるためのリーフレットを作成しました。「写真と文章のそれぞれの良さが生きるように、写真と文章を見直すことができる」ことをねらいとし、グループで内容を検討しました。
実践の内容
①本物のパンフレットを研究
5年生の先生に「5年生が不安がっているので、宿泊学習の様子がわかるパンフレットを作ってほしい」と依頼をしてもらった(相手意識・目的意識)。そこで本物のパンフレットを研究し、どのようなパンフレットが良いのか調べる。
②ラフスケッチを作成
次に手書きでラフスケッチを描き、4人の班内で見直しをして精度をあげていく。そして、それをもとにパソコンでパンフレットを作成する。
③パンフレットを作成
ラフスケッチをもとに、パソコンを使ってパンフレットを作成する。
ICTはここで使う!
子どもたちは手書きで作ったものを見直せというと非常に嫌がります。しかし、パソコンを使うと、手直しにも積極的に取り組む姿勢が見られました。
ICT活用のポイント
「満足度の高さ」
ICTを活用することによって、表現力に差があっても、みんな「良いものができた」と満足します。この高い満足度は"学習のエンジン"のようなものでとても大事です。
「作業時間の削減」
今回使った『伝えるチカラPRESS』のリーフレット制作ソフトは、小学生でも簡単に扱えます。作業時間が大幅に短縮でき、子ども達の試行錯誤に多くの時間を確保することができました。
授業デザインのポイント
"作って終わり"にさせないでしっかり見直す
●分析と見直し
分析とは、本物のパンフレットを分析させ、良いパンフレットとはどんなものか、という視点を持つことです。そして"作って終わり"ではなく、本当にこれで良いのか見直す時間を確保することが大事です。それがひいては相手意識・目的意識の持続につながります。
●個別学習と協働学習
この2つはしっかり切り分けることが大事です。協働学習としての全体の活動では、一人一人の様子が見取れないことがあります。そこで、個別学習を取り入れて個人の確実な評価につなげます。それが協働学習を活性化するしかけにもなります。