ワークショップBグループに一台
小林 祐紀先生 (茨城大学 准教授)
ワークショップでなにが起こったのか?
グループ1台のタブレット端末が国語科のどのような場面で活用できるか数人で話し合いながらアイデアを出しました。また、話し合いの中で、先生方から出された留意点を整理すると、活用意図や配慮点を明確にすること・アナログとデジタルを使い分けて最適な活用場面を検討すること・小中9年間を見通した段階的な指導を行うこと・他のICTやメディアとの比較をすること・一人ひとりの学びを保証することという様にまとめられました。とくに大切なのは、最後にお伝えした、一人ひとりの学びを保証する授業デザインをするという点だと思います。例えば、個人できちんと紙の上で考える時間をとり、その後、話し合いをする場面でタブレット端末を使う、といった様にです。
グループ1台で伝えるチカラを育むには?
伝えるチカラを育むためには、タブレット端末に加えて下記の点を含めて授業をデザインすることが大切です。
● 「授業のしかけ」
- タブレット端末を囲んで、子ども同士が関わらざるを得ない時間をつくる
● 「学び合う価値」の自覚化
- 協働で学び合う価値を子どもが感じられるようにする
● 「聴き合う技能」の習得
- 最初は話型から。共感的に聴き合い、コミュニケーションを深めていく技能の習得
グループ1台で円滑に活用していくコツは?
グループ1台で円滑に活用していくコツとして、次の3つを考えました。
1.ルール化・適材適所
- 出席番号でタブレット端末を取りに行く人をルール化
- 司会者、記録係などの役割を順番にまわす
- 体育見学の子にカメラ係を任せる など
2.学びの保証
- 授業の中で一人ひとりが活用する時間を想定すること
- 発表したいと思わせる課題を設定すること
- 他の人の発表を「聴く」ことを価値づけること
3.価値の見える化・自覚化
- 新年度の始まりに協働での活動を価値づける
- (みんなと)学んで良かったことを、たくさん書かせる
- 「伝わっていない」ということを、きちんと伝えられる関係性づくり